東京国税局80億円課税処分を国税不服審判所全額取り消し

東京国税局
生活雑貨ブランド「アフタヌーンティー」などを展開する「サザビーリーグ」の創業者らが東京国税局から受けた約80億円の課税処分について、国税不服審判所が1月20日付けで異例の巨額課税処分の全額を取り消す裁決を出していたことがわかった。

「サザビーリーグ」は2011年株式公開買い付け(TOB)を経て創業者の鈴木陸三氏の親族の投資会社に吸収合併され、非上場化した。鈴木氏と会長の森正督氏の資産管理会社「三木家」は1株5万円で6万株の新株を取得。TOB成功後に1株8万円で投資会社に売却し、計9億円の利益を得たとして申告した。

東京国税局は1株の売却額は84万円が相当と判断し、約210億円の申告漏れを指摘し、過少申告加算税を含む計80億円を追徴した。ところが国税不服審判所は「国税当局側の主張する株価の根拠は明確ではない」とし全額を取り消した。国税局は国税不服審判所の採決にはクレームがつけられず、これで終結となり、納税者が納税していれば本税に還付加算金をつけて返却することになる。