ここがポイント!インボイス制度 その⑥

インボイス制度の負担軽減措置―その3

少額の返還インボイスについて交付義務の見直し
令和5年10月1日以降の課税資産の譲渡等につき、売上げに係る対価の返還等を行った場合におけるその税込価額が1万円未満である場合には、その適格返還請求書の交付義務を免除することになりました。
この改正により帳簿で売上値引き処理をすることにより、当初経理担当者泣かせと思われた返還インボイスの発行をしなくて良いことになりました。
これは全ての事業者が対象であり、適用期限のない恒久的な措置です。
商品の販売代金を決済する際の振込手数料は、契約で売手負担と定めた場合を除き、原則買手が負担することになっています。
ところが、売手の了解を得ずに一方的に振込手数料を差し引いて振込される場合があります。
インボイス制度の導入後は、銀行は買手に振込手数料のインボイスを交付するため、売手は振込手数料のインボイスを受領することが出来ず、仕入税額控除をすることが出来ません。また、売上値引きとするには返還インボイスを発行しなくてはなりません。
そこでこのような負担軽減措置の改正が有りました。
原則、差し引かれた振込手数料相当額は売上値引きとして処理してください。
問題は差し引かれた振込手数料相当額を支払手数料等の経費科目で計上した場合です。
この場合は前号に掲載した負担軽減措置―その2の「一定規模以下の事業者が行う少額取引の事務負担軽減措置」の適用になりますが、期間が令和11年9月30日までと限定されています。
但し、帳簿上は支払手数料として経費計上するが、消費税法上は売上値引きにしたい場合には、帳簿に対価の返還等として取り扱うことが要件設定やコード表、消費税の申告の際に作成する帳票等により明らかであれば問題ないとされています。